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感染と免疫

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細菌やウイルスに対する生体防御機構である免疫において自然免疫は、これまで非特異的で単純なシステムと考えられてきた。しかしながら近年の研究成果から、自然免疫系の細胞にも病原体認識機構が存在し、サイトカインの産生を介して多様な免疫反応を誘導することで、病原微生物に対する初期応答に重要な役割を果たしていることが明らかになった。我々は口腔領域の感染症に対する自然免疫系細胞の認識機構や排除機構の解明に取り組んでいる。

歯周病と全身疾患の関連性の解明

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近年では歯周病が口腔内だけに限らず、糖尿病・心臓病・誤嚥性肺炎・関節リウマチなどの全身疾患の発症や悪化に関与することが明らかになっており、これに関する様々な基礎研究や疫学研究が展開されている。我々の研究室では、歯周病原性細菌の病原因子や歯周病における局所の慢性炎症反応がアテローム性動脈硬化症に代表される循環器疾患の病態形成へ及ぼす影響について分子生物学的な解析を行っている。

自然免疫における異物排除機構の

分子生物学的解析

歯周病の発症メカニズムを見据えた

新たな定量的診断法の開発

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歯周病は、その有病率が20歳代で約7割、30〜50歳代で約8割、60歳代では約9割に及ぶ疾患である。超高齢化社会の我が国では、高齢者の歯周病患者数は増加傾向にあり、医療や介護の現場において、大きな問題となっている。そこで我々は、歯周病原性細菌や歯周組織の炎症反応を短時間で検出可能な検査ツールの開発に取り組んでいる。これにより、科学的根拠に基づいた歯周病の総合診断の確立を目指している。

糖鎖やナノ化合物を用いた

口腔内感染症の治療法や予防法の開発

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歯周病は歯垢中の口腔細菌によって引き起こされる炎症性疾患である。そのため、その治療や予防法の開発には細菌感染および炎症反応、両者へのアプローチが必須となる。歯周病に関わる病原細菌叢や病原因子に関する研究が進捗しているが、治療標的分子の同定や分子標的治療の実現には至っていない。我々は、様々な企業や研究機関との共同研究を通じて、歯周病を始めとする口腔内感染症の新たな治療法や予防法の開発に取り組んでいる。

看護師

小児期における口腔マイクロバイオームと
健康状態の関連性の解明

全国規模のエコチル調査のデータを活用し、子どもの口の中にすむ細菌(口腔マイクロバイオーム)が健康とどのように関わっているかを調べている。

唾液や歯垢に含まれる細菌の特徴を詳しく解析し、アレルギーや肥満、むし歯などとの関係を明らかにすることで、子どもの健やかな成長を支える新たな手がかりを見つけることを目指す。

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